マーケティング(ABM/MA)に興味ありな大学生(卒論提出済み)のサイト。本のメモ、メディア記事メモ、Twitterメモなど個人用。卒論のテーマは「マーケティングオートメーション」「Mauic」関係でした。 自分用メモですが、ネット上の誰かのためにもなったら幸いです。

イグナーツ・ゼンメルワイスというハンガリー出身の医師の話

19世紀病原菌という概念さえない当時、ヨーロッパ中の産院で産褥熱で多くの人が亡くなっていた。ゼンメルワイスは医者が「手を塩素水で消毒するだけで、死亡者を激減させられる」ことを発見した。そしてその単純な「医者が手を洗う」方法を取り入れたところ死亡率を18%から1%に下げることに成功した。

これはまさに画期的な発見でありイノベーションである。
しかし、その効果を証明する膨大なデータを10年にわたって集めたにもかかわらずその方法は広まらなかった。

その理由は大きく2つあると思われる。
ひとつの理由は「これまで産褥熱で患者を死に追いやっていた原因は自分たちの手だった」という事実を医者たちが受け入れたくなかったことにある。つまりデータを重んじるはずの医者であっても「自らに原因がある」ことを証明するデータは受け入れたくなかったのである。もうひとつの理由は、ゼンメルワイスの啓蒙法にあった。明らかなデータがあるにも関わず医師たちがその方法を受け入れようとしなかったので、ゼンメルワイスの説明は攻撃的で脅しのようになり、ついには医者を殺人者呼ばわりし始めたのである。医者の手を介して病気が移るのだから手を洗うべきである」というソリューションと同様、行動観察で得られるソリューションもそれだけを聞けば「なんと当たり前な。簡単すぎる」と言われることも多い。しかしコロンブスの卵のように後から聞けば「当たり前の様に思われるようなコストや手間のかからないソリューション」が本質的である場合が多い。

====

その観察力洞察力を元に画期的なソリューションを導き出すという意味では、私たちはゼンメルワイスになりたい。しかし、そのソリューションを受け入れてもらって成果を出すという意味ではゼンメルワイスにはなりたくない。

「どれだけ論理的に正しくて効果が期待できるソリューションであってもフィールドで取り入れられなければ何の成果を出すことができない」

行動観察の基本は「人を幸せにすること」にある。
そのためロジカルなソリューションを提示するだけでなく、具体的に目に見える成果を出すことにこだわる


引用:ビジネスマンの「行動観察入門」

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

管理人/副管理人のみ編集できます