マーケティング(ABM/MA)に興味ありな大学生(卒論提出済み)のサイト。本のメモ、メディア記事メモ、Twitterメモなど個人用。卒論のテーマは「マーケティングオートメーション」「Mauic」関係でした。 自分用メモですが、ネット上の誰かのためにもなったら幸いです。

MAを外部ツールと連携をする目的

1.営業
2.集客
3.接客
4.分析

営業(1):Salesforceとの連携

MAツールと連携させる外部ツールとして最も相談が多いのが、顧客関係管理システム(CRM)です。
<目的>
マーケティング部門で獲得したリード情報を、スムーズに営業部門に引き渡すこと。
日本では「Salesforce」を導入している企業が多いことから、これをMAツールと連携させたいというご相談をよくいただきます。

チェックリスト
MAとCRMとの連携で考えるべきこと
・データをMAからCRMという1方向だけで連携するのか
・それとも双方で同期を取るのか
・そしてどのタイミングでCRMに連携させるかということです。

 日本企業の場合、先にCRMを導入してその後にMAツールを導入するというケースが多く、MAツールで育てた見込み客をCRM側に渡すという片方向のみの連携から始める場合がほとんどです。この連携がうまくいったら、次のステップとして営業のステータスなどをCRMからMAツールに同期させるといった活用を検討するとよいでしょう。

 MAツールからCRMにデータを連携するときに重要なのはデータの品質です。データの中に担当者、企業、案件情報の3つがそろっている状態で営業に引き渡すようにしましょう。第3回の連載でも強調しましたが、案件がない状態でリード情報を営業部門に引き継いでも無駄な工数がかかるばかりで成約の確度が下がることになるからです。よって、「案件情報が出てきたタイミング=営業部門が対応するタイミング」と考えて、CRMに連携させるとよいでしょう。

 ただし、インサイドセールス(案件の有無を電話やメールなどを使ってヒアリングしながら、顧客をフォローする活動)を実施している企業では、もう1つ手前のフェーズでデータを引き渡すこともあります。その場合、顧客データの「ライフサイクルステージ」でいうところの「SQL(Sales Qualified Lead、営業対象となる見込み客)」の段階で引き渡し、インサイドセールスがSQLをフォローします。なお、Salesforceに連携する場合、SQLの顧客情報は、Salesforceが作成する「リード」や「取引先責任者」にデータ連携することができます。

 中小企業では、マーケティングとインサイドセールスを同じ部署で担当するようなことも多いでしょうから、案件化しそうなホットリードに対して電話やメールで案件情報をヒアリングしたタイミングでCRMに連携し営業に引き渡すというような運用になるでしょう。

営業(2):名刺管理ツールとの連携

「SanSan」に代表される名刺管理ツールのデータとMAツールを連携するという活用方法もあります。この場合は、名刺のデータをMAツールに引き渡すことになります。引き渡したデータを元に、リードクオリフィケーションをしてセグメント化し、メールや電話などでコミュニケーションをとり、顧客育成をしていきます。

 しかし、名刺データは情報が不十分なためセグメント化しにくいのも事実で、案件の確度としては低くなりがちです。そうしたデータに対しては、第3回で紹介した「エンゲージメントメール」で関係を保ちつつ、ライフサイクルステージを見極めて営業部門に引き渡すのがおすすめです。

営業(3):動画管理ツールとの連携


営業目的のツール連携で、今後活用が期待されるのが動画です。「WISTIA」「Vidyard」「brightcove」などの動画管理ツールを使うと、誰がどの動画をどこまで再生したか、視聴データをトラッキングすることができます。これを基に興味関心の度合いを見極め、メールや電話でコミュニケーションを取るのです。

 なお、MA連携における動画コンテンツは、ブランド訴求やイメージ訴求を目的としたものよりも、より実践的な内容の方が有効です。例えばツールベンダーであれば、デモ動画や操作動画、B2Bサービスであればノウハウをまとめた動画が有効です。B2Cにおいては1〜3分くらいで見られるレシピ動画が人気ですが、B2Bでも同じように短時間の動画が視聴されやすい傾向があります。

 動画管理ツールを活用すれば、以下のような手法でユーザーの情報を取得することもできます。

・動画の中に複数のクリッカブルな選択肢を用意しておいて、どの項目をクリックしたかを計測し、ユーザーの関心や興味の傾向を調べる。
・動画を一定時間再生した後に入力フォームを表示する。動画の続きを再生するために入力フォームへの入力を求め、リード情報を獲得する。

集客:広告配信ツールとの連携

集客用途では、MAツールでセグメント分けしたリード情報を広告配信ツールに連携し、より適切な広告配信に利用するという活用方法が増えています。広告配信媒体は多様ですが、特に注目されるのは、「Facebook」などのSNSと連携させることです。

 Facebookにセグメント分けしたリード情報をアップロードすると、Facebookの登録情報と比較し、マッチするユーザーに広告を配信できます。逆にFacebookからリード情報を収集する「リード獲得広告」という広告タイプもあります。例えば、資料ダウンロードに必要な入力フォーム形式でFacebookに広告を配信し、リード情報を獲得し、それをMAツールに取り込むというような活用方法です。

接客:チャットツールとの連携


 最近、Webサイトを来訪したユーザーに対して行う、Web接客の考え方が広まってきました。Web接客の手法はいろいろありますが、その1つがチャットを使ったカスタマーサポートや営業サポートです。チャットのデータをMAツールと連携させることで、誰がいつどんなメッセージを送ってきたか、という情報を管理できます。営業やカスタマーサポート部門と連携すれば、即座に質問に回答することもできます。

 MAと連携できる主なチャットツールとしては、「SnapEngage」「Pure Chat」「Pushcrew」などがあります。HubSpotの場合には、初めからWebサイトでチャットできる「メッセージ機能」を備えているので、外部のチャットツールと連携することなく対話することができます。

分析:BIツールとの連携


 分析を目的に外部ツールと連携することもあります。例えば、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールのダッシュボードに、MAのセグメンテーションデータや行動の統計データを表示できるように連携するといった活用方法です。「Google Analytics」など、他のツールで取得したデータと合わせて1つのダッシュボードに表示することで、傾向分析などがしやすくなります。

 なお、MAツールはもともとリード情報を1件ごとに管理することを目的としているため、一般的には統計的な分析は弱いとされています。しかし、最新の活用事例では、機械学習で見込み客の行動パターンなどを抽出することで、顧客になりやすい傾向のユーザーを見つけるといったこともできるようになりました。外部ツールと連携することで、こうした活用方法がさらに進んでいく可能性もあります。

リード情報の質が成功の秘訣

 今回は、MAツールのデータを外部ツールと連携する活用方法について目的別に解説しました。4つの目的ごとに紹介しましたが、やはり主流は営業データとの連携です。営業データとの連携では、リード情報の質を高くすることが成の秘訣です。

 リード情報を引き渡すときに、企業情報と担当者情報、案件情報の3つをセットにすることが重要だと紹介しましたが、それに行動データや興味関心などの情報が加わると、さらに良質なデータとなります。もしリード情報とひも付く追加データがあるなら、営業部門に引き渡すようにしましょう。

 そして、営業活動の結果をフィードバックできるような仕組みを用意することもお勧めします。Salesforceでステータスを変更したら、MA側にもデータが反映されるというのが望ましいでしょう。

 本連載では、スモールスタートを意識して解説を心掛けました。最初から「全社の最適化」を目的にMAツールを導入すると、マーケティングプランは複雑化し、組織内のコントロールにおいても困難が多く、なかなか導入が進まないという失敗に陥りがちです。該当製品が違えばペルソナが違うことも多く、ライフサイクルやクオリフィケーションの条件も変わってくるからです。

 最初は、1つの部署や製品と言った単位で小さく始めてみましょう。そこで成功した方法をアレンジして少しずつ他部署に広げていくことが、MAを有効活用するポイントなのです。
 
引用:http://marketing.itmedia.co.jp/mm/articles/1705/24...

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