マーケティング(ABM/MA)に興味ありな大学生(卒論提出済み)のサイト。本のメモ、メディア記事メモ、Twitterメモなど個人用。卒論のテーマは「マーケティングオートメーション」「Mauic」関係でした。 自分用メモですが、ネット上の誰かのためにもなったら幸いです。

『株式会社という病』(平川克美)

【前書き】
・希望とは、問題はあるにせよ、やがて技術がこれを解決してゆくことになるだろう、と思うこと
・希望には根拠がない。だから希望なのだ。
・希望の中にいるとき、技術も金も問題を解決するよりは、新しい問題を発生させることのほうが多いとは誰も考えない
・マネーによってテクノロジー神話が形作られ、テクノロジー神話がマネーを操作するという複雑な入れ子構造が見えるようになった
・誰もがなんとなくは感じていたことだが、誰も深くは考えてこなかった問題が浮かびあがってきた
・問題は腐った指導者や、経営者の側にあるのではない。むしろ、私自身も含めて、かれらを指弾するものたちの内側に拡がった信憑の中にこそもとめられるべきではないのか。
・株式会社こそは、私達が毎日その内部で活動し、あまりに身近な存在であるがゆえに、深く考えることをしてこなかった社会の写し絵のようなもの
・人間とは、自分が意思することと別のことを実現してしまうような存在
・合理性=何ら人間に先見的なものではなく、人間の行動を説明するために事後的に発明された思考の形にすぎない
・想定外とはいうが、この場合の「想定」とは何だったのか。その想定したものが何を根拠にして出された数字なのかが明確にならなければならない
→ここをハッキリしなかれば今後も「想定外」が頻発する
・経済成長という国益、利潤という社益、利権という省益が、自らの振る舞いの意味に先行する
・株式会社というものは株主に統治権を与えている。株主主権論。
・ビジネス(金儲け)という人間の活動の中に潜む思考停止
→株主にとっての関心は、自分が保持している株式の価値が短期間で上昇すること
・株式会社に道徳を求めたり、株式会社が社会貢献を標榜したりするのは勝手だが、本来的にそのような観念を受け入れるようなシステムではない
・株式会社とは、自らのふるまいを金銭でカウントして、評価するシステム
・どうあるべきかというところにあるのではなく、株式会社というものが本来的に持っている「限界」についての認識する

歴史の転換点には、社会の深部で、目に見えない「価値の地殻変動」が起っている 細野善彦
貨幣は欲望を満たすための交換手段であるが、同時に貨幣の存在が欲望を生産する(逆説) 岩井克人
思考の淵で拾いあげた借り物ではない言葉だけが指南力を持ちうる 吉本隆明

・ビジネスの現場「1円でも多くの売上を上げること、同時に1円でもコスト削減すること、1日でも早く仕事を仕上げること
、良い商品を作って、ひとりでも多くの顧客を獲得することなどが、枢要課題。
・ビジネスの土俵から外れたところでどんな知見を披露したところで、それは気の聞いた箴言になっても、商売上の利益には何ひとつ寄与することはない
→無駄話、消費のカテゴリー
・ビジネスに長けた経済合理主義者ならば、「必勝の要諦」などというものは、秘匿してこそ価値があることを知っている
→即戦力として実際の現場で役に立つノウハウなどというものは誰によっても書かれない
・ビジネス上の問題のいくつかは、ビジネスの現場では解決できない(→システムの枠内で解決できない)
・非合理極まりない人間という存在にも関わらず、どうして知性は合理性に惹きつけられるのか
・対蹠的、診断的な処方は、個別遂行的な課題には何らかの効用があるだろうが、習慣を声、言葉を超え、思考の枠組みを超えて、人性に爪痕を残すことはできない
・思想が思想たりうるためには、いかに特殊な事象にも見えようが、そこから人間全体の問題に繋がる普遍性を取り出せるかどうかということ
・特殊な経営者によって引き起こされた、特殊な事情の下での出来事であるというように考えていては、ことの本質を見失うことになる
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