マーケティング(ABM/MA)に興味ありな大学生(卒論提出済み)のサイト。本のメモ、メディア記事メモ、Twitterメモなど個人用。卒論のテーマは「マーケティングオートメーション」「Mauic」関係でした。 自分用メモですが、ネット上の誰かのためにもなったら幸いです。

簡易プロフィール

・INSEADブルーオーシャン戦略研究所客員研究員、ワシントン大学ビジネススクール客員研究員(フルブライト研究員)、ナンヤン理工大学アジア消費者インサイト研究所リサーチフェローを歴任。国際的な学術誌への論文掲載多数。

・著書『顧客志向の新製品開発:マーケティングと技術のインタフェイス』は、日本商業学会賞と日本経営学会賞を受賞している。

著者関連メモ

・「顧客志向』を実現するためには、顧客情報の収集・共有・利用の各段階が必要。

顧客の行動を把握する事例3つ

IDEO・・身近な素材で簡単にプロトタイプを作ったり、皆で考える『ディープダイブ』といった習慣を特徴
「例えばIDEOは、スーパーでの買い物用カートを開発する際、買い物客の行動を観察して発想を広げた。子供用の歯ブラシを開発するときには、子供たちが手全体を使って歯ブラシを握るという行動を確認し、大人用よりむしろ握り部分を太くした。日本企業でも、こうした観察の例はある。行動を観察した結果、野菜室の利用頻度が高いことから、それを使いやすい高さに設置した冷蔵庫なども、消費者の観察の一例だ」

株式会社モンベル
「この会議からは、『野点セット』『女性用ライフジャケット』など、数々の商品が作り出されている。モンベルは社員自身がアウトドア好きであり、商品のユーザー。加えて直営店や会員組織を通じてユーザーの声を広く収集しているため、改めて消費者を対象とした調査を行う必要はない」

TOTO株式会社
「2010年に発売した『クラッソ』は、TOTOのキッチンとしては大きな方向転換。それを開発するに当たっては、ユーザー訪問はもちろん、社内のユニバーサルデザイン研究所でユーザーの動線を詳細に観察した上で、調理作業の流れに沿って収納部を設計、シンクの流れ方や水栓など細部にも工夫をこらした。IDEOと同じように、観察に基づいてプロトタイプを作成、それをテストするという流れで開発している」
・日本企業が目指すべきは米国型の価値創造ではないと考えている。日本は米国でも中国でもない。
・技術力は大事にすべき。日本企業は小型化指向が強く、すり合わせ開発を得意としている。そこには今後も注力していくべき
・各社が同じ方向性で競い合っていけば同質化していってしまい、過当競争をもたらす。
・顧客志向を強化することで各社が独自の価値を作り出すことができ、競争回避へ向かっていくことが望ましい姿
・ものづくり大国としての日本は伝統的に技術志向が強く、ビジネスの仕組みとして、市場構造や市場行動を変革するマーケティング志向が相対的に弱い傾向にある


・「エジソンは電球を実用化しただけでなく、発電機や送電技術などトータルな電灯システムを作っていた。イノベーションはモノづくりに留まらない。その点を見落としてはいけない」

・モノづくりだけでなく、同時にビジネスモデルを打ち出していく。市場を作り上げていく

 
・「性能で競う他社と同一軸での競争を避け、新しい遊び方を提案することでより多くの売上を実現したWiiなど、日本企業の顧客志向事例は海外の学会でも取り上げられる。アメリカではベンチャー企業が担う破壊的イノベーションを、日本では既存の大企業が次々と実現している。日本の企業は、モノづくりの水準そのものは変えることなく、マーケティングやデザインもバランス良く力を入れて、国内市場への過剰適応を避けつつ、かつ日本ならではの新たな価値を創造していく必要がある」



【問題意識】
・現状では事例のブルー・オーシャンの蓄積も少なく、実践の指針となるケース教材が不足している。

・実務界ではブルー・オーシャンという用語自体の知名度は高く、日常用語化した印象はあるものの、学術的には、理論フレームワークを用いてブルー・オーシャンの創造に成功した事例の蓄積、あるいはその理論的考察は十分に進んでいるとは言えない。言い換えれば、理論としての学術的な妥当性が未だ検証されていない段階にある。

・加えて、ブルー・オーシャン戦略が提案する理論枠組みと、競争戦略論やイノベーション・マネジメント論、マーケティング論などの近接領域における新市場創造に関する類似理論との相互関係も未だ明確ではない。


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